山本武雄氏よりメッセージが届きました。Message From Takeo YAMAMOTO

ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ
創立20周年おめでとうございます。

洗足学園音楽大学・名誉教授/吹奏楽特別参与日本ブラスバンド指導者協会・理事長 山本武雄

今から20年前(1995年)ユーフォニアム奏者の荒木玉緒さんより、日本でプロフェショナルのブラスバンド(金管バンド)を創立したいとの相談があり、私は大変素晴らしい事だと思いました。当時、ブラスバンド(金管バンド)は、日本に於いては、まだマイナーの存在でした。日本にもいくつかのブラスバンドはありましたが、アマチュアが主体で、自分達の趣味として楽しんでいる感じでした。一般の人達は、吹奏楽とブラスバンドの区別がつかない人が多かったと思います。
英国を中心としてヨーロッパ各国、オーストラリア、アメリカ等で盛んなブラスバンドですが、日本では当時ブラスバンド指導者が少なかった為、金管アンサンブルやブラスコワイア(シンフォニックブラス)のサウンドでした。日本では小学校を中心としてブラスバンド活動が盛んになりましたが、本場の英国のブラスバンド活動やサウンドを学んだ人達は少なく、レコードやCDを音源として真似るのが精一杯でした。
「ヴィヴィット・ブラス・トーキョウ」は、ブラスバンドの可能性を求め、新しいサウンドをもち、ブリティッシュ・スタイルの良いところと、プロの音楽集団としてブラスバンドの良さを示し、オーケストラ、吹奏楽と同等のレヴェルで活動しています。近年、日本の吹奏楽でも、オリジナル作品がブラスバンド編成で吹奏楽に再アレンジされた曲(例、宇宙の音楽 (P.スパーク)、ハリソンの夢(P.グレイアム)等多数)が数多く演奏会やコンクール等で聞く事ができます。
現在、日本のブラスバンドも一般バンドが数多く設立されるようになりました。大学でもブリティッシュ・ブラスの授業が行われ、卒業してから英国に留学する人達も多くなってきました。
「ヴィヴィット・ブラス・トーキョウ」が、日本を代表するブラスバンドとして、日本だけでなく、世界に飛び出す日も近いと思います。日本だけでなく、世界のブラスバンド界の発展の為に、これからも活躍するのを楽しみにしています。