スパーク氏からのメッセージ 〜CD「VIVID!!」ライナーノーツより

ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ(VBT)にはこれまで2回のコンサートに呼んでいただき、今回またご一緒する事が出来ました。大変嬉しい限りです。VBTは、バンドとして独自の境地を持つ、誇るべきさ存在だと私は考えています。
私の国、英国では、金管バンドというと、もっぱらアマチュア演奏家による物と認識されています。それらの演奏は、いつもとても情熱的です。ただ、そうした情熱はある意味、プロの演奏と少し違う物を思わせます。それはどのバンドの演奏も皆、躍動的で、活気にあふれ、真剣そのものできわめて水準も高いのですが、敢えて言うと、その方向性に置いては、明らかにプロと違う点が感じられるのです。
私の目にVBTは、実にユニークな存在に移ります。それは、VBTの演奏が、英国の味わう情熱とまさに同じものを醸し出しながら、プロフェッショナルな演奏家としての「完璧」を追求しているからです。練習から本番まで、それは一貫しています。この姿勢は指揮者をずいぶんと楽にするものです。ましてこのような楽団との競演は、指揮者として、まことに楽しい事です。VBTの演奏は、プロフェッショナルであると同時に際だった楽しさを感じさせてくれます。音楽への愛情を原動力にしている演奏家だけが持ち得る心があふれる演奏です。
これは指揮者の理想型です!!

フィリップ・スパーク