ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ代表 荒木玉緒より皆様へ

私が初めて金管バンドの演奏を聴いたのは、大学生の時でした。
生まれて初めて聴いた金管バンドのサウンドは、金管楽器と打楽器だけで演奏されているとはとても思えない驚きの表現の連続でしたし、指揮を学ぶ学生であった私にとって何より刺激的でした。その輝かしくも力強いサウンド、そしてパイプオルガンのような美しい弱奏は、20年以上経った今でも、昨日の事のようにはっきりと覚えていますし、そのようなサウンドを耳にしたことは、当時の私にとって、大きな衝撃でした。
そして、そのような体験をさせてくれた金管バンドが、他ならぬ日本を代表するプロフェッショナル金管バンドであるVIVID BRASS TOKYOだったのです。
私にとって首席指揮者として今後VIVID BRASS TOKYOの皆さんと共に活動出来ることは、大きな喜びであり、若い自分に素敵な感動を与えてくださった楽団に少しでも恩返しが出来ればと思っております。
さて、今回初めて首席指揮者として楽団とご一緒させていただく定期演奏会では、金管バンドの奏者としても経験の深い楽団員の方々と相談を重ねながら選曲をさせていただきました。
今回の選曲には、2つのコンセプトがありますが、それは私が初めてVIVID BRASS TOKYOのサウンドを耳にした時のような感動をより多くの方にも体験していただき、これまで金管バンドのサウンドを聴いた事がない多くの方にもその魅力をお伝えしつつ、その魅力を通じて音楽の素晴らしさを知っていただくことです。
エリック・ボールの交響詩「復活」は、金管バンドの大変重要なレパートリーであり、ヨーロッパで金管バンドに携わる際には、名曲中の名曲として必ず取り挙げられる作品です。
また、近年吹奏楽版でも演奏される事が多いフィリップ・スパークの「宇宙の音楽」の原曲は金管バンドです。その素晴らしい音楽的内容から、この作品も金管バンドの魅力をを余すことなく伝える名作と言えるでしょう。
また、名手が多いVIVID BRASS TOKYOですから、楽団員がソリストを務める作品もいくつかお届け致します。
そして、何と言っても私が公私とも仲良くさせていただいている、日本を代表する新進気鋭若手作曲家4人による共作ファンファーレは、今まで誰も考えつかなかったような企画となりますが、その企画の斬新さのみならず、記念演奏会のオープンングに相応しい作品として期待していただきたいと思います。
これまで金管バンドの演奏会に足を運んだことのなかったお客さまにも、すでに金管バンドの魅力を十分にご存知のお客さまにも、VIVID BRASS TOKYOの演奏を通して、音楽の素晴らしさをお届けするべく精一杯尽力させていただきます。
皆さまとコンサートホールでお会い出来ることを楽しみにしております。

VIVID BRASS TOKYO
首席指揮者 松元宏康